コラム

オンライン授業がついに小学生にも!メリットと導入のポイント
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オンライン授業
学校教育

日本でもコロナ禍が一つの要因となり、社会に「オンライン」という風潮が一気に浸透しました。それは教育の分野も同じで、いまやオンライン授業は当たり前のものとなりました。では、今後さらに発展するオンライン授業はどうなっていくのでしょう?メリットやデメリット、あたらしいツールなどを紹介してみたいと思います。

オンライン授業のメリット

「オンライン授業」とは、その名の通りインターネットを通して行う授業です。大きなメリットとしてはやはり、場所にとらわれないので、インターネット環境さえあれば教育が受けられること。さらには昨今のコロナ禍でいうと、対面というリスクを避けることができます。

また、移動の時間も必要としないので、その分の時間を有効的に使えたり、子どもたちの外出による危険なども回避することができます。

授業スタイルも、オンラインのリアルタイムによる授業だけでなく、オンデマンド配信などにより、いつでもどこでも質の高い授業が受けられるなどのメリットもあります。

出典:旺文社【高校教員の学習・進路対応調査】

2020年5月に旺文社が実施したアンケートによると、オンライン授業を「休校後に実施」したのが51.1%、「今後実施予定」が21.1%と、コロナ前は1割程度だったオンライン授業の導入率が8割強にまで上がったと言えます。

オンライン授業は、管理する側でも非常に有効なものとなりました。その一つとして、学習管理システムといわれるLMS(Learning Management System)などとの接続などが容易となったことで、教育機関側でも生徒の管理や学習進捗の管理がしやすくなったことです。

成績や採点などもデジタル化したり、映像として残ることで記録がしやすくなり、以前の教育現場からすると格段に便利になっているのです。

● オンデマンド配信

あらかじめ撮影・録画された動画をアップロードし、生徒が好きな時間に視聴(学習)する形式です。インターネット接続できる環境であれば、いつでもどこでも学習でき、何度でも繰り返し視聴できるのがポイントです。

● リアルタイム配信

講師・生徒が同じ時間にリアルタイムで行う学習スタイルです。あらかじめ配信ツールを同じもので揃える必要があります。「ZOOM」や「Google Meet」「LINE」「Skype」といったものがよくつかわれます。

必要な機器も安価に。タブレットも1万円台に。

オンライン授業は、以前はかなりハードルの高いものでした。それはパソコンやカメラ、マイクなどをそろえる必要があり、それらをすべて備えた家庭は実際には少なかったからです。

しかし、スマートフォンやタブレットが普及し、モニタ・カメラ・マイクなどが一つの端末に集約され、さらにその端末もいまや1万円台で購入できる時代になり、オンライン授業は非常に受けやすいものになりました。

さらにタブレット端末を使うと、板書やノートをとるのも、カメラやペンツール、ノートアプリを使うことで、より簡単に、便利になるのです。

  • 1万円台のKindle Fire HD10

    AmazonのKindle Fire HD10も15,980円(2022年4月現在)で購入可能。出口式みらい学習教室のオンライン授業でも導入している端末になっています。

  • タブレットのノートアプリ

    様々なタブレット端末に対応したノートアプリ。ペーパーレスでクラウド上に保存出来たり、手書きの情報をクラス単位でリアルタイム共有できるなど、非常に便利なアプリです。

オンライン授業で多いトラブルとは

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まだまだ「オンライン」という文化がこれほどまで広がってからも日が浅いため、まだまだ課題も多くあるようです。ここでは、現段階でよく発生するトラブルを上げてみたいと思います。あらかじめ対策を立てておくことで、講師側・生徒側ともにオンライン授業に苦手意識を持たないようにすることができるはずです。

● 声が聞こえない・声が届かない

imagesオンライン授業に慣れないと一番多いのが、「どちらかの声が聞こえない」または「聞こえないのに授業が進んでしまう」といったトラブルです。

オンライン授業で使用される「Zoom」や「Skype」といったツールは、複数同時接続が前提のため、カメラをオフにしたり、音声をゼロにする「ミュート機能」などが標準でついています。慣れないとこのミュート機能がオンになっているのに気づかなかったり、講師側が特定の生徒が聞こえなくて困っているのに気づかないまま進めてしまったり、というケースが多いです。

講師側は必ず全員が双方向に音声がやり取りできているかの確認をしたり、生徒側はツールの特性などをあらかじめ理解しておくといった準備が必要です。

特にパソコンだとマイクやスピーカーが複数検出され、間違った端末を認識してしまう、またはマイクやスピーカーの音量が極端に絞られてしまっていたりといったことが原因で聞こえないということもありますので、慣れない場合は事前にテストをするなどの対策が理想的です。

● 音声や画像が途切れる

images次に、ネット回線の不安定な状態により、映像や音声が途切れてしまうトラブルです。

インターネット回線が不安定だと、音声が途切れて聴き取りづらくなってしまったり、映像が固まってしまうなどの、回線起因によるトラブルが頻発します。

特に家庭用のWi-Fiは、どうしても無線LANルータの金額や性能に左右されやすく、電子レンジなどの外部の電波干渉にも弱かったりするので、あらかじめ接続強度を調べておく必要があります。

インターネットの接続強度は、動画視聴サイトの計測「fast.com」などで計測することができます。また、水王舎のオンライン視聴サイトの通信速度測定などもございますので、接続する端末でぜひアクセスしてみてください。

どうしても回線速度が安定しない場合は、「有線LANに切り替える」「無線機の距離を近くする」「障害となるものから遠ざかる」といった方法をとるとよいでしょう。

● 孤独感・距離を感じる

imagesリアルの対面授業などと違い、よく言われるのがやはり「孤独感を感じる」「置いて行かれてる感じがする」といった、コミュニケーションの難しさからくるトラブルです。

前出の「音が聞こえないのに進んでしまう」というようなトラブルも、対面授業だと起き得ない事象です。

同時につながっていたとしても、部屋には一人でいたり、小さいカメラ画像がいくつも並んでいても、講師以外言葉を発しないというような状態も、その感覚に陥る要因といえます。

理想は同時接続数を多くても3~4人くらいがいいともいわれています。人数が多くなるほどに発言の機会などは減ってしまうので、そのあたりをあらかじめ考慮するのがいいかと思います。

今後発展していく仮想空間「メタバース」とは

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オンラインの次のステップは、VR(Virtual Reality)で実現する日もそう遠くはないと思わせる発表がありました。

2021年10月28日、あのFacebook社が社名をメタ・プラットフォームズ(商号: Meta)に変更しました。

この「メタ」とは「メタバース」からきており、メタバースとは、「meta」(超越、高次の)「universe」(宇宙)を組み合わせた造語で、オンライン上に構築された、人が活動できる仮想空間のことをいいます。

Facebook社は、VRのヘッドセットである「Oculus(オキュラス)」シリーズをリリースしており、これを使ったメタバースの開発が今後の事業の核とすることから、社名の変更を行ったのです。

このVRのヘッドセット「Oculus Quest 2」でリリースされた、メタバースを利用した「Horizon Workrooms」というサービスがあります。筆者も今後の時代の流れに乗り遅れまいと、Oculus Quest 2を購入し、このWorkroomsを体験してみました。

Horizon Workroomsの画面キャプチャ

まず、用意されたミーティングスペースに接続すると、実際にその場にいるようなリアルな感覚に驚きます。

声の聞こえる方向も、距離感も、お互いがどちらを向いているか、ヘッドセットが拾った手の動きも取り入れられ、まさにリアルなコミュニケーションが取れることに驚きました。

この時は実際にいくつか県をまたいだ者同士でつないでいましたが、PCの画面をミラーリングし、それをホワイトボードに表示させ、コントローラーを使ったレーザーポインターやマーカー機能を使い、まるでお互いがその場に一緒にいるような、実際のミーティングとほとんど遜色のない体験ができました。

なにより、実際にその場にいるような感覚だと、「あなたはどう思いますか?」というような振り方や、問題に対して挙手させたりといった、対面授業と何ら変わらないことが既にできるのだということ。

オンラインなんてコロナの間だけ…というようなことを言っていては、置いて行かれてしまうのではないかという危機感すら覚えました。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

オンライン授業とひとことに言っても、それを体験しておくということの重要性も感じるほど、技術の革新は進んでいます。

子どもたちが未来を生き抜くためにも、今後のテクノロジーに目を向け、触れさせておくことに意味があるのではないでしょうか。

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